店主ブログ

店主のこだわり

ダ ヴィンチの絵500億円に思う。

最近私にとってビッグニュースはレオナルド ダ ヴィンチのキリスト像がクリスティーズのオークションで500億円という途方もない価格で落札されたニュースである。

 

過去にゴッホやピカソの絵が高額で売買されたのも驚きであったが今回は桁が違う。

 

この背景には「ダ ヴィンチ」というビッグネームがあるのは確かだが、昨今の札余り状況が影響しているのは間違いない。

日、米、欧とリーマンショック以後、経済の立て直しのために大量の紙幣を印刷して市中に放出した。この結果地球上にはお札が溢れ、インフレを助長する政策をとったからである。

 

今回のような途方もない値段が出る反面、未だに生活必需品などは値下がりするデフレ兆候がある。お金が偏った場所に集まり、足りないと感じている人には相変わらずお金は回っていない。

 

昔から「金は天下の回り物」と言われるが回る道筋が決まっていて、その道に近いところにいる人は恩恵があるが、遠く離れたとこにいる人は回ってこないという笑い話のようなことが実際起こっているのである。

 

この不公平感の原因が資本主義のシステム上の限界なのかポスト資本主義への過渡期なのかは後世の人々が判断することである。

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今年の師走展

2017年の師走展も無事に終了した。大過もなく無事終了できたことを心より感謝申し上げます。

 

来場者も昨年ほどではないが120名を超える方が月末の忙しい中、銀座に足を運んでいただいた。

 

今年の特徴は月末、月初の開催となったため事前に京都に来て、お買上げいただく方が多かったこである。

 

また原糸の高騰から、やむを得ず来年に大幅値上がりする「唐織」の受注会としたことで多くの方から別注を受けることになった。

唐織は桃山時代、日本人が編み出した独自の織物である。江戸時代は能装束として利用されてきたものを近代になって帯として一世を風靡し、現在に至っている。

 

素材の「江州ダルマ」と呼ばれる手引き糸は「無形文化財」として貴重な技術認定されている。生産される糸の八割は三味線の糸として二割は帯として使われる。

 

手で作られた「江州ダルマ」は自然の太細があり、コシの強さが特徴である。このこだわりを引き継いでいるのは「齋藤織物」だけで当社の誇りとなっている。

 

体調管理が上手くいかず東京出張組は全員が風邪気味という最悪の状況であったが、全員がよく頑張ってくれた今年の師走展であった。

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桃山時代にもあった上手と下手

私のコレクションの中にも「辻ヶ花」の上手と下手があることに気づいた。

画像① 「檜垣に藤菊文辻ヶ花染(桃山:16世紀)」

 

画像② 「扇面散らし文辻ヶ花染(桃山:16世紀)」

 

 

画像①は絞りがビッシリと密に施され隣り合う模様との境は狭く、絞りの輪郭が明瞭だが、②は模様が散漫で絞りの輪郭が甘い。

 

決定的な両者の違いはカチン(墨)で描かれた仕上げの線である。①は精緻でしかも何の躊躇もない線が力強く引かれているが②は線が稚拙で粗雑だ。

 

当時は身にまとう人の身分差があって上手物は上層階級へ、下手は庶民クラスへと目利きが選別していた。だが今の時代、この玉石が入り混じって市場に出回るから消費者自身が峻別する眼を持たないと下手物を高い値段で買う羽目になる。

 

とにかく先入観、肩書きを捨て無心に多くのものを観る以外に上達の方法はないのだが、よくできた偽物や本物なら中古品でも良いという消費者心理が寛容な昨今は選択肢が広がるだけにかえって難しい。

 

 

 

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銀座師走展と番組収録

今年も師走展の季節になった。昨年は療養中にもかかわらず上京してみたが、初日でダウン、2日目に帰京する羽目になりお客様や社員に迷惑をかけてしまった。

 

 

今年も相変わらずの療養中であるが体調もかなり回復し、普段は仕事に専念する日々を過ごせたので満を持して上京するつもりである。作品は腕に撚りをかけた新作を多数出品ができそうなので楽しみにおいで頂きたい。

 

今年は会場の都合で11月30日〜12月2日までという月末をまたいだ開催なので、ご来場者の皆さんはお忙しい事と思うが、私は年末の賑わいを見せる銀座を久しぶりに楽しめること期待している。

 

東京から帰ればNHKの「古裂」の魅力を紹介する海外向けの番組「CORE Kyoto」の収録が控えている。

 

 

「古きを温ね、新しきを創る」を私がどう実践しているか海外の人々に紹介する内容で、日本の染織品の素晴らしさが認識され評価が高まり、私の古裂コレクションが単なる道楽ではないことを証明してくれる良い証として残されるだろう。

 

 

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豊臣秀吉をめぐる不思議な縁

先日ある桃山時代の唐織裂を手に入れた。2m x 2mの長大な裂は竿通しが付けられ「風穴」(風を通す開口)が施された奇妙な裂である。

 

 

まず驚かされるのは、その色彩である。500年は確実に経過しているにもかかわらず、ご覧の通りほぼ完璧な色彩が残存している。

 

詳しく見ると能衣装として職製されたらしいが何らかの理由で幕に仕立て直されたようだ。

 

この裂の出所がまた面白い。旧蔵は三条大橋のたもとに桃山時代にはすでに存在していた「M針屋」で豊臣秀吉が、まだ木下藤吉郎と呼ばれた時代に針売りとして全国を行脚していたという伝承がある。

 

彼は行商の過程で得た戦国大名達の情報から仕えるべき武将を探し求めていたという。その結果、織田信長に白羽の矢を立て、信長の草履取りから太閤にまで登りつめた。

 

その針屋から今回出たのが「菊桐模様唐織」(太閤秀吉を象徴する模様で高台寺文様と呼ばれている。)だから余計に因縁ありそうで興味が湧く。何故?どう言う経緯で?この一枚の異様な唐織が針屋に伝来したのか?

 

裏地に雨汚れの痕があり、もしかして醍醐の花見の折、御座所に掛けられた幕ではないかと思っている。

 

 

 

 

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