織物を作るときの道具といえば織機や杼などを一番にご想像すると思いますが、
その他にも様々な道具があり、織手が日常的に使用してる道具を一部ご紹介いたします。
右上から、
①入尺
織っている帯の長さを測るときに使用します。織機に帯がかかっているときは、しっかりとテンションをかけた状態で織っているため、織機から下ろしたり、仕上げの加工などで長さが縮みます。最終的に仕上げたい長さより少し長めに織るために入尺を織物の種類に合わせて厚紙などで手作りします。
②糸切鋏
糸を扱う仕事なのでこちらは必須です!歯切れが悪いときは、砥石を使って自分で研いだりもします。
③綜絖通し
本来は綜絖に糸を通すための道具ですが、杼に糸を通す際に使用しています。よく見ると下の方が、糸が引っ掛けられるような形になっています。
④筬通し
筬に糸を通すためのに使用します。織っている最中にときどき糸が切れたりすることもあります。その際に必要になる道具です。
⑤二分メガネ
織物の密度を確かめるための道具です。上から覗くと糸が二分の間に何本あるかを確かめて、それぞれの織物にあった密度で織っていきます。
⑥鏡
普段織機で織っているときは、上を向いている側が裏、下を向いている側が表になります。表側に綺麗に柄が出ているかを確かめるために使用します。
⑦水糊
帯の最初と最後を固着させる際に使用します。
簡単にですがご紹介させていただきました。
入尺と糊を除いた、残りの道具は以前いらっしゃった織手さんから代々受け継ぎ使用しています。
織専門の道具屋さんは西陣に数件ありますがどの道具も希少になっています。
最近も一部の道具の職人さんの跡継ぎがいなくなってしまい新しく同じものが手に入らなくなりました。
道具をやさしく大切に扱うことも帯の制作にはとても重要だったりします。
最後に話は変わりますが今年もアトリエの桜が満開です。
片長