齋藤織物は、帯の表は勿論、裏生地も手機で織っています。
いざ織る前に、たくさんの準備工程があるのですが、その中でも、帯一本を織り上げる為に必要な緯糸の準備について、ご紹介致します。
まずは、織り上げたい配色に染め上がったすが糸をゼンマイと呼ばれる糸繰機にかけ、糸枠にとる工程があります。↓
それらを1本単独であったり、数本引き揃えたりして、管に巻いていきます。↓
ここの工程、サラッと流されがちですが、地味に大変なのです!!
まずは、その数。
帯の裏生地を織るための糸を地緯(生地そのものを作る緯糸)用の管に巻いていきます。
例えば、遼代裂の裏生地は約80本程の地緯を巻かなければなりません!!
(織物の緯糸の太さや、打ち込みの密度で変わるので、織物の種類によっては、これより多い場合や少ない場合があります。)
表は、表用の地緯に加えて、更に絵緯糸(紋様を表現する色糸)も必要です。
↑こちらは最近織っていた遼代裂双鷹丸に必要な緯糸です。帯1本分でこれくらいは必要です!
遼代裂の絵緯糸は、ほとんどが4片と呼ばれる細い色糸を2本~4本合わせて巻いています。
引き揃えて合わせるのも難しく、気を付けないと、どれかがたるんだり引きつれたりします。
それは織りやすさにつながるので、緯巻さんはそれぞれの糸に合わせて巻き方を変え工夫しています。
今は、6人の織り手が使う緯糸を2人で準備しています。
1日中巻き続けないと、追いつかないくらいの忙しさです!
この道70年!!の織り職人さんは、つい最近もの凄いスピード感で裏生地を織り上げ、皆をびっくりさせていました。
緯巻さん泣かせです。笑
安井