織物が、経糸と緯糸とで構成されていることはご存知のことと思いますが、今回は機の仕組みと、経糸緯糸の動きにより織物がどの様に作られていくのか、私たちの毎日の仕事そのものをご紹介いたします!
アトリエでは、一つの機に1600~2400本程の経糸がかけられています。
紋紙の指示通りに上げ下げされた経糸の間に緯糸を通し織っていきます。
「地ぬき」と呼ばれる生地そのものを作る緯糸は、幅いっぱいに通します。
↑地ぬきの開口の様子。
「絵ぬき」と呼ばれる柄の部分を織り出す緯糸は、柄の部分だけに通します。↓(織幅いっぱいに通す場合もあります。)
柄をどのようにして作っているのかというと、機の上部に取り付けてあるジャカードの「針」と呼ばれる部分を経糸2~6本単位と連動させ、その針一本一本を上げ下げすることで、柄を織り出しています。
アトリエでは柄部分を作る「主針」と生地を作る「付属針」とで、約400本の針を使い経糸を操っています。
(ちなみに遼代裂の機は1200本です。)
基本的には、地ぬきは「棒刀」(主針よりは粗く経糸と連動させていて、経糸を24グループに分けて上げ下げする。)を動かして開口させ、その間に通すことで生地を作っていきます。
↑手前右側が「棒刀」です。
絵ぬきは主針を上げ下げして部分的に色などを入れるときに使います。
その際に絵(柄)が大きいと、絵ぬきが表面に長く渡ってしまい、引っかかります。
そこで、「伏せ」と呼ばれる仕掛けで、主針で上げられた経糸を等間隔に下げます。そうすると、「綴じ」と呼ばれる絵ぬきを等間隔に綴じることができます。↓
このような機の仕掛けを使い、その動きの順を変えたりすることで、多種多様な織物を生み出しています!
機により織物の種類を変えますが、同じ機でも全く違った印象の織物を織ることもできます。
その辺りについては次回!です。
安井