日記帳

先代の教え

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  • 2019.10.08
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行儀、作法がマナーへ

マナーを辞書で引いてみると「行儀、作法」とある。 そう、同じ意味である。 しかし現代の生活においてはマナーの方がスンナリ耳に落ち着き、 「行儀、作法」といえば堅苦しく聞こえる。 やはり現代の生活は和から洋への変化が定着したように思える。 行儀、作法といえば畳の部屋での居住い、所作をイメージ…
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  • 2019.09.30
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物の本質が見える

危機的な状況に追い込まれていると物の本質が見えるようになると感じている。 まず第一に美的なものに敏感になる。 私が摺箔の美に気づいたのも、今の病気を患って生死を迫られていた時期である。 大きく変わったのは、これなら大丈夫と思った人を信頼する気持ちがグーッと大きくなり、何よりも自分自身の運の…
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  • 2019.07.22
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私はなぜアートを目指すのか? 自問自答編

人間の人間たる所以は創造にあり。 AI(人工知能)が登場するまで「創造」はコンピューターにはできない、それがコンピューターの限界とされてきた。 しかしAI(人工知能)が登場するや、音楽を作曲したり、絵を描いたりとコンピューターが人間の専門領域に侵入してきた。 私もAIが描いた絵を見たことが…
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  • 2019.06.25
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呉服屋が染織アーティストになった。

例の摺箔屏風「金銀波濤図」が小田原文化財団の永久保存作品として所蔵されることになった。 半双の銀波もようやく完成し、予想していたより深い、静かな迫力にダークグレーと銀の取り合わせがいかに素晴らしいかを再確認した。 イヤー!我ながらいい出来である。 「摺箔」という技法をもとに私がデザインした…
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  • 2019.06.18
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「御所解」(ごしょどき)

「御所解」(ごしょどき)について話を聞きたいと、「きものサロン」の編集者がやって来た。 「御所解」とは19世紀初頭から起こった日本版ルネッサンスの影響で、日本の古典文学を題材にした着物が流行り始め、武家屋敷勤の女性の制服として広がり、明治以降に「御所解」(ごしょどき)と名付けられた一連のきもののこ…
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  • 2019.06.03
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評価のポイント「力」

作品の評価において「力作」という表現をするところから作品には力のこもった、手のかかったものを良しとする風潮がある。それは作者の作品中で傑出した作品という意味であって、鑑賞者からすれば「それ程のものではない」と評価される事もあろうかと思う。 以前、私は自分にとって「心地良いか」が評価の基準と述べてき…
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  • 2019.03.22
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技法として「友禅染」の偉大さ

最近「摺箔」の事ばかり考えていると、逆に「友禅染」の技法がいかに優れているか再確認する結果になった。 「友禅染」は江戸中期、18世紀の初頭に完成された染め技法とされている。その大成者が「宮崎友禅斎」とされているが確かな証拠はない。 その特徴はきもの全面にのびのびと図柄を描き「糊」を使って地色が染…
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  • 2019.03.13
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何とかしてあげたい若い職人さん

昨年後半、探している腕の良い職人とは別に、2人の壮年職人が仕事の依頼に「ぎをん齋藤」を訪ねてきた。かねがね、将来を見込める職人は必要だから探すよう社員にも申し付けてあるから、大いに期待して話をし、試しに仕事も出してみた。 彼らに共通する類似点は、数多くの染め工程を自分一人でできると言う点であった。…
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  • 2019.02.13
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美学と宗教

一見何の関係性もない言葉だが、よく考えると類似点を見出すことが出来る。 江戸時代にも「宗門争い」と言って、学者や僧侶がいかに自分の信じる宗派が相手より優れているか議論されてきたが、結局優劣の決着をみることはなかった。同じく美学においても、狩野永徳と長谷川等伯のいずれが勝るかの論議も盛んであった。…
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  • 2019.02.08
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柳橋図

江戸時代初期、俵屋宗達や狩野永徳らが活躍した時代、もう1人の画壇の主役「長谷川等伯」とその工房で作られたのが「柳橋図屏風」である。 絵のモチーフは名前の通り柳と橋を様々な角度で表現した当時のヒット作である。和室だけで構成されていた町家、屋敷は屏風と言う間仕切り兼、装飾品を大いにもてはやしたらしい。…
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  • 2019.01.25
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躊躇せず、作りたいものを作る!

物作りで一番悩むのは「こんなものを作って買ってくれる人がいるのだろうか?」と躊躇してしまう瞬間である。 贅沢に作りすぎると「値段が高くなりすぎて買える人がいるだろうか?」と自分にブレーキをかけることも再々あった。そんな時、顧客の顔を頭に浮かべると、その人に似合いそうなものについ落ち着いてしまう…
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  • 2019.01.21
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杉本博司氏に高評を仰ぐ

  「摺箔」のほぼ完成を機に、敬愛する杉本博司氏に高評を仰ぎたくメールをした。早速、返事をいただき、先日わざわざのご来駕いただいた次第である。誠に有り難い、感謝。 私は年始の挨拶もそこそこに、おもむろに「摺箔」波図を彼の前に広げてみせた。その瞬間、彼の眼光が鋭くなったのを、私は見逃さな…
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  • 2019.01.18
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齋藤織物の事

アトリエと称している齋藤織物の社屋は40年の時を経た。コンクリートの射ち放ちは、見た目は美しいがメインテナンスにお金がかかる建物である。 コンクリートは固そうだから、雨風をしのぐにも冷暖房の効果も高そうだから安心していたが、雨とカビに弱いとは知らなかった。外壁に雨水が残り、黒ずんだカビで汚れる…