日記帳

先代の教え

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  • 2019.01.09
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見習い織職人 Nさん

昨年6月に研修生として齋藤織物に入塾したNさんが異例の早さで、この1月より正社員になり、プロの織職人として働くことになった。 これは異例の早さで、通例最低1年は塾生として技術を磨いてもらう必要があるのだが、Nさんは持ち前の熱意と技術習得の早さで、半年で職人としての技術を身につけた、正に天職と言うべ…
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  • 2018.12.26
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平成30年を振り返る。

清水寺で年末に一文字を選ぶ行事があるが、今年は「災」であった。 私の周囲では大した被害を受けた感じはしないが、西賀茂にある齋藤織物の社屋の一部が、風によって吹き飛ばされた件や、お向かいの大木が倒壊してアトリエの電線を切り裂く事故など、無事には済まなかった。更に西日本各地の内陸部に大雨が残した傷痕は…
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  • 2018.12.14
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師走展反省会

商品の帰着を確認して「平成」最後の師走銀座展は、無事に終了した。110名のご来場頂きました皆様に心から御礼を申し上げます。 留守番役の私にとってテーマ商品の評価が気になったが、集計して見ればかなり良い評価を得られたようである。ちなみに「ぎをん齋藤」の定番中の定番「御所解」帯に匹敵する売上を得ること…
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  • 2018.09.28
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底知れぬ「黄金」の魅力 と染織への活用

最近、「黄金」の色々な可能性を試す作品を制作しているが、日を増すごとにその魅力に引き込まれていると感じている。今回の挑戦は「黄金の地金」を絹の質感を損なわずに表現したいとの思いで試みたが予想以上の出来栄えに感動している。     勿論、金箔や金泥は本金を用いなければ「黄…
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  • 2018.09.15
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「クリムト」

先日、TVでクリムトの名画「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像 」を主題にした作品を観ることができた。第二次世界大戦中、ドイツ軍に接収された「アデーレ」を元所有者から返して欲しいとの依頼を受け、若い駆け出しの弁護士とユダヤ人の元所有者が見事に最高裁判所まで勝ち抜き、ウイーンの美術館から返還を受けると…
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  • 2018.08.24
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「選ぶ眼」と「創る眼」

今、たくさんのきものや帯が並べれられて、その中から「ぎをん齋藤」で扱ってもいいものを選ぶよう社員に指示すれば、キャリアの長い社員なら同じものを選ぶであろう。まあ、普通の社員なら10年、感性の豊かな社員なら5年も居れば選ぶ眼を持てる。 しかし、「ぎをん齋藤」で扱ってもいいものを創るように指示しても、…
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  • 2018.08.01
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大好評「摺箔」シリーズ

少し前になるが、黄金色が時代の主流になるとブログに書いてから「摺箔」の染物に着手し始めたのだが、現在、作るものがハジから売れるほどの好評ぶりに自分でも驚いている。 この「摺箔」をやってみようと決めたのは、私のコレクションに一枚のサンプルがあったのが理由である。その裂は10年ほど前に入手したのだ…
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  • 2018.07.20
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唐代裂への挑戦

私の布の歴史をたどる旅も7世紀の「唐」時代へと遡り、いよいよ終着点が見えてきた。 唐は玄宗皇帝や楊貴妃などビッグネームが登場する華やかな時代であった。シルクロードを三蔵法師が踏破し、天竺(インド)から仏教の経典を持ち帰り、中国に一大仏教ブームを巻き起こした。この流れから日本も時の権力者、聖徳太子の…
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  • 2018.07.07
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出来が良かった新「無双」きもの

6月に銀座で催した「夏のはんなり展」の為に考案した「無双」きものが仕立て上がり、お客様にお送りする前に仕上がりを確認した。 思いのほか出来が良いのに満足。この生地はテレビ番組にヒントを得て気心の知れたYさんに依頼して織り上げた極細の絹糸を用いた薄絹である。いわゆる「ゴース」に似た生地感は一目見…
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  • 2018.06.21
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杉本博司氏の「江の浦測候所」を訪ねる

かねて念願であった「江の浦測候所」をようやく訪ねることができた。 事前に杉本さんに連絡を入れておいたので、現地でスタッフ女性にお迎えいただき、説明を受ける特別待遇に浴した。今回の訪問先は、杉本さんの長年のテーマであった、夏至の日に海から上る初日出に超自然な何かが潜んでいる、その実像を見定めたい…
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  • 2018.06.14
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金彩師

印金屋さんと呼ばれる、染物制作の一工程である。彼を知ったのは一昨年のことである。 工芸展に出品していたSさんの作品に一目惚れして、早速仕事の依頼に、彼の自宅兼工房を探し当て赴いた。彼の技術、特に極細な線を緻密に施す技は、正に一級品である。しかも絵心があって細かな指示を出さなくても、自由に細い筒を使…
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  • 2018.06.03
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美学と宗教

一見何の関係性のない言葉だが、よく考えると類似点を見出すことが出来る。 江戸時代にも宗門争いと言って、学者や僧侶が、いかに自分の信じる宗派が相手より優れているかを議論することがなされてきたが結局、優劣の決着をみることはなかった。 同く美学においても、狩野永徳と長谷川等伯のいずれが勝るかの論議も盛…
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  • 2018.05.30
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「濡れ描き」は魅力的だ!

「友禅染」の特徴は、防染糊(色が入り込まないように糊で模様の縁を防染する)にあるのだが、最近、独自に研究しているのが「濡れ描き」である。 書いて字のごとく、絵の輪郭が濡れたように柔らかいのが特徴である。なぜこんな事に拘るかといえば、「友禅染」で描く花や葉の輪郭は固く、写生で自然を写した草花の輪郭は…