きものを愉しむ / 

- 店主の記録 -

OWNER / PLEASURE /

筆 : 齋藤 康二

今回は特別にある「お客様」の記事を投稿する。

さて、ぎをん齋藤は私で8代目となる。

創業当時は京都の花街を主に仕事着(裾引きなど)を誂える専門店として

今の店を構えたのが始まり。

それから約180年の時が過ぎ、現在は花街、そして町方(一般人)という

両方のお客様を対象に呉服のもの作りと小売りを生業としている。

そして本題となる今回はぎをん齋藤のきものが海外へと渡り、

お披露目となった話題。

すでに何年もご贔屓くださっているM様。

詳しいことはもちろんご紹介できないが、ニューヨークのあるパーティーにて

弊社のきものと帯一式をお召くださいました。

きものは青色地に大胆な波の摺箔訪問着、袋帯は金地に金銀の月というモダンな

コーディネート、そして小物にはさし色に赤を用いてバランス良くされていることろがいい。

これはもちろんご本人に許可を得て載せている。

きものとご本人の印象がとても素晴らしく、メイクからヘアーカラーまですべてが

きものに合わせて良くまとまっているところは流石である。

海外の晴れの舞台で我々の作品がご一緒できるという機会をくださったこと、

そしてきものという伝統衣装がこれほど海外で映え、ドレスに負けないほど

高級感ある衣装として表現できるということを教わり、とても感謝している。

日本人ならではのしなやかな着こなしと、伝統と世界の融合に嬉しさを隠しきれない。

このページにある「きものを愉しむ」、まさにこれではないだろうか。

筆 : 齋藤 康二