日記帳

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  • 2018.06.14
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金彩師

印金屋さんと呼ばれる、染物制作の一工程である。彼を知ったのは一昨年のことである。 工芸展に出品していたSさんの作品に一目惚れして、早速仕事の依頼に、彼の自宅兼工房を探し当て赴いた。彼の技術、特に極細な線を緻密に施す技は、正に一級品である。しかも絵心があって細かな指示を出さなくても、自由に細い筒を使…
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  • 2018.06.03
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美学と宗教

一見何の関係性のない言葉だが、よく考えると類似点を見出すことが出来る。 江戸時代にも宗門争いと言って、学者や僧侶が、いかに自分の信じる宗派が相手より優れているかを議論することがなされてきたが結局、優劣の決着をみることはなかった。 同く美学においても、狩野永徳と長谷川等伯のいずれが勝るかの論議も盛…
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  • 2018.06.01
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6月のコーディネート

今回は6月のコーディネートです。 単衣の時期ということで、着物は涼しい水色、麻の葉の絞り、付下小紋。 それに合わせる帯は横段の華文、しゃれ袋帯、シンプルな着物にこのような ざっくりとした織の帯はアクセントとしてとても華やかに彩るアイテムです。 パーティーや観劇など、涼やかにお出かけしてはいかがでしょ…
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  • 2018.05.30
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「濡れ描き」は魅力的だ!

「友禅染」の特徴は、防染糊(色が入り込まないように糊で模様の縁を防染する)にあるのだが、最近、独自に研究しているのが「濡れ描き」である。 書いて字のごとく、絵の輪郭が濡れたように柔らかいのが特徴である。なぜこんな事に拘るかといえば、「友禅染」で描く花や葉の輪郭は固く、写生で自然を写した草花の輪郭は…
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  • 2018.05.19
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待望の新人がやって来る。

6月1日から男女2名の新入社員が「ぎをん齋藤」に入社することになった。 最近は幹部社員が面接してくれるので、私は委細は知らない。ただ、彼らを見た瞬間の笑顔や振る舞いを、10分の1秒で判断したところ、なかなか感じの良い男女だと直感した。2名とも将来は営業職を希望しているが、適性を見極めるまでは方向を…
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  • 2018.03.12
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隠れた古裂コレクター

先日ある古裂を専門に扱う美術商と話をしていた中で親子三代に渡って古裂を蒐集し、しかも誰にも見せずに密かに楽しんでいる人が京都に居ると聞かされた。   さすが京都、千年の都だけのことはある、誰も見たこともない古裂を蒐めては飾り、それを眺めながら美味しい酒を飲むとは、なんと風流な人がいるも…
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  • 2018.02.20
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久々に巡り合った「金更紗」の名品

同じ金更紗でも上質のものは細工が細かく、金の厚みも違う。いわゆる「露金」と呼ばれ純金がふんだんに使われている。 加賀前田家伝来の本品は「萌葱地花蔓草文様金更紗」という長ったらしい名前が付けられ、型を使わない手書きの金更紗の中でも一級品で、同じ裂が東京国立博物館に所蔵されている。 更紗と一般に…
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  • 2018.02.15
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金(きん)の時代

マネーではなく黄金という意味である。黄金が主役であった時代というと、まず頭に浮かぶのは桃山時代、太閤秀吉は「聚楽第」という別荘の屋根瓦にも金箔を貼りつけた。遡れば「織田信長」が建てた「安土城」も最上階は黄金に輝いていたというから天守閣の屋上に「金閣寺」を置いたようなものと想像すれば良いのか。 &n…