日記帳

日記帳

BLOG

READ
  • 2018.02.06
  • 日記帳/
  • 先代の教え/

私が消費者に伝えたい事

私は物作りを通して「上質」と「センス」を伝えるのが仕事だと思っている。上質な物をわかりやすい言葉で表現すると「薄くて軽く温かいもの」と言い換えてもいい。この定義は和服だけに限らず洋服の世界でも同じことがいえるのではないだろうか。   和服の中でも織帯に例えれば手織りのものは「薄くて軽い…
READ
  • 2018.01.23
  • 日記帳/
  • 先代の教え/

京都人の義理人情

多分、もっとも長いご贔屓を頂いているお客様の1人が先斗町の現役芸妓さん、Tさんである。私が先代の供をして行くようになったのは60年ほど前になるだろう。若い頃のTはとても怖い芸妓さんでお手入れのものをお預かりに行くと二階の階段から投げてよこすようなことは当たり前で、呼び鈴を2回押したたけでも「うるさい…
READ
  • 2017.11.15
  • 日記帳/
  • 先代の教え/

桃山時代にもあった上手と下手

私のコレクションの中にも「辻ヶ花」の上手と下手があることに気づいた。 画像① 「檜垣に藤菊文辻ヶ花染(桃山:16世紀)」 画像② 「扇面散らし文辻ヶ花染(桃山:16世紀)」 画像①は絞りがビッシリと密に施され隣り合う模様との境は狭く、絞りの輪郭が明瞭だが、②は模様が散漫で絞りの輪郭が甘…
READ
  • 2017.10.23
  • 日記帳/
  • 先代の教え/

美とは心地良さである。

世の中には色々な美が存在する。風景、人物、絵画、工芸品、音楽など、ありとあらゆる物に美と美でないものがある。数学の方程式にまで美があると言うから奥が深い。   そして美の本質は受け止め側の「心地よさ」であると思っている。人の顔やスタイル、気質など心地よいと感じる人と日常的に会ったり見た…
READ
  • 2017.09.04
  • 日記帳/
  • 先代の教え/

世間は広い

古裂が市場に出ないと嘆いていたら、京都在住のある男性が山のような数の古裂を売りに出したらしく、親しい古美術商が全部まとめて買い取ることになった。 手元に届いたとの連絡があり、早速、店を訪れると、まさに山のように積まれた古裂のコレクションを目にした。 話を聞くと、そのコレクターは全く古裂には興味が…
READ
  • 2017.08.29
  • 日記帳/
  • 先代の教え/

本疋田が摺疋田へ、染めが印刷へ

江戸時代中葉から本疋田(本絞り)は少なくなり摺疋田へと移って行く。その理由は定かではないが二つのことが考えられる。 一つは幕府によって贅沢禁止の御達しが度々出され、そのやり玉に挙がったのが鹿子絞り(本疋田)であった。一目一目絹糸で絞って染められる技法は贅沢の象徴とされ、摺疋田へと移ったと考える。…
READ
  • 2017.06.22
  • 日記帳/
  • 先代の教え/

展覧会レセプション

6月18日、細見美術館に於いて「布の道標」展覧会、オープニングレセプションが開かれた。 私は相変わらず声が不調でスピーチは心配だったが、会の趣旨からして、私が一言挨拶しないわけにはいかないと意を決して御礼を述べた。 当日は快晴に恵まれ、招待客100名ばかりの前で5分ほどのスピーチを行なった。…